3249 産業ファンドが公募増資

投資関連情報

3249 産業ファンド

7月29日(水)に権利取り最終売買日を控えた3249産業ファンドが、そのたった2営業日前の7月27日(月)、公募増資を発表しました。

3249 産業ファンド投資法人、公募増資を発表

第10回公募増資、補足説明資料

産業ファンド、増資で得られる資金の使途について

3物件取得

  • IIF湘南ヘルスイノベーションパーク(準共有持分60%)
  • IIF市原マニュファクチュアリングセンター(底地)
  • IIF湘南ロジスティクスセンター

3物件とも、鑑定価格よりも取得予定価格の方が低いため、取得完了時から含み益が発生することになります。

分配金の推移

日本株の公募増資では、一般的に研究・設備投資といった名目、でも実態は運転資金調達のような曖昧な増資が行われ、新株発行後は、数か月間株価がズルズルと下がる、いわゆる株価希薄化となってしまうケースが多いです。

REITの場合は、物件取得がほぼ決まってから増資の発表が行われるので調達資金の使途に曖昧さは少ないです。また増資発表と同時に、既に発表済の予定分配金との差異も発表されます。

産業ファンドは流石です。今回も、分配金増配発表を行いました。2021年1月期の予想分配金は、直近発表の2,955円から3,158円(利益超過分配金を含む)に6.9%増額されます。

2021年1月期分配金予想の変更

出典:第10回公募増資、補足説明資料(P5)

高い安定性

不動産セクター全般における、2008年6月を100として、セクター毎の稼働率や賃料の推移を示すチャートです。

2008年9月15日にリーマンショックが起きました。下記のチャートからは、経済ショックが起きた際は、オフィスの稼働率と賃貸料の下げが大きく、住宅の稼働率や賃料への影響は、物流系不動産と同程度と読み取れます。

産業ファンドの稼働率と賃料は、経済ショックには関係なく、常に100に近い水準で推移しています。

このチャートに商業系不動産の稼働率と賃料の推移が示されていないのが、残念です。

出典:

  • 「物流(東京圏:マルチテナント型)」についてはCBRE「CREIS Japan」
  • 「オフィス(東京都)」については三鬼商事「オフィスデータ」
  • 「住宅」については一般社団法人不動産証券化協会「ARES Japan Property Index AJPI Data book」

物流セクターREITの公募について

2008年9月のリーマンショック前後のJ-REITの増資発表では、分配金が大きく下がるケースもありました。

この5年間ほどのJ-REIT投資法人の増資では、分配金が下がったとしても数%程度で、増資前比較で増えるケースが多いように思います。

過去2年間、産業ファンドを含む物流系REITの公募増資が活発で、このセクターの増資発表の場合、以下のように各々の株投資口価格も堅調に推移し「増資発表される銘柄は買い」というトレンドが継続しております。

増資発表日 Code 法人名 発表日終値 07/28/20 終値 上昇幅 上昇率 リート指数
08/13/18 3281 GLP 117,700 171,500 53,800 45.71% 1,738.64
08/23/18 3481 三菱地所物流 261,800 458,500 196,700 75.13% 1,753.25
01/09/19 3471 三井不動産ロジ 313,500 551,000 237,500 75.76% 1,787.87
05/14/19 3249 産業ファンド 129,700 199,500 69,800 53.82% 1,893.04
05/21/19 3466 ラサールロジ 122,000 185,300 63,300 51.89% 1,941.67
09/04/19 3466 ラサールロジ 145,000 185,300 40,300 27.79% 2,093.91
06/04/19 3283 日本プロロジ 232,200 355,500 123,300 53.10% 1,903.56
06/27/19 3487 CREロジ 118,000 158,900 40,900 34.66% 1,936.31
09/19/19 3481 三菱地所物流 315,500 458,500 143,000 45.32% 2,119.00
11/29/19 3249 産業ファンド 171,200 199,500 28,300 16.53% 2,219.74
01/06/20 3493 伊藤忠アド・ロジ 118,900 158,000 39,100 32.88% 2,150.98
01/07/20 3487 CREロジ 133,000 158,900 25,900 19.47% 2,142.11
01/08/20 3471 三井不動産ロジ 481,000 551,000 70,000 14.55% 2,118.07
01/20/20 3283 日本プロロジ 286,000 355,500 69,500 24.30% 2,169.56
06/29/20 3487 CREロジ 150,200 158,900 8,700 5.79% 1,660.03
07/27/20 3249 産業ファンド 195,400 199,500 4,100 2.10% 1,680.36

増資発表後の値動きについて

  • 日米の7月REIT市場は、米国株式や金利市場の変動に影響を受けず、安定に推移中
  • 物流系REITは、電子商取引の盛り上がりで、特には、冷凍倉庫の需要が逼迫している状況で、上昇が継続中
  • 7月後半から8月前半は、日本株式市場は停滞する傾向がある。大きな下げには連れ安の可能性あり
  • 産業ファンドは、上場史上最高値を毎日更新を続けて堅調。
  • 売出価格決定日初日の8月4日(火)は、売出価格のディスカウントを鞘抜きするヘッジの売りが、引けの間際に必ず出る。必ずと言い切れるが、それを狙った買いで、下げを戻して引ける場合もある。
  • 4日に売出価格が決まった場合、翌営業日の5日は、株価安定操作期間になる。高くなることが多い。
  • 8月11日(火)は、受渡日。産業ファンドの投資口価格の予想は、まだ出来ない。

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