アルケゴス破綻、日米の関連チャートと株価の推移から現状確認

投資関連情報

FRBがSLA条件緩和措置延長を3月31日で打ち切ると発表

パウエル議長は、21年3月17日~18日に行われたFOMC終了後の記者会見では、SLR(補完的レバレッジ比率)条件緩和措置延長に関するコメントを避けました。翌日3月19日(金)、FRBは書面で3月31日で打ち切ると発表しました。直後では米10年債の金利が1.7353%まで0.1%以上、急上昇したことから、市場参加者にとって予想外の発表であったと思われます。

FOMCの直前までは、株価が上昇していたバイアコム、テンセントミュージック、ディスカバリーといった特定の米国株が、3月22日(火)以降下落を始め、下落率は3月19日(金)の終値比較で15%~60%に達しました。

この急落の直接的原因は、以下の通りです。

出典:Bloomberg, 4月2日 +++++++++++++

ウォール街の大手トレーディング業者の一部幹部は、その動きの背景を承知していた。ビル・フアン氏のファミリーオフィス、アルケゴス・キャピタル・マネジメントが、バイアコムCBS株の非常に大きなポジションを積み上げていた。

世界中の金融機関が、さらに多くの株式の買い増しに必要なレバレッジをフアン氏に提供し続けた。しかし、事情に詳しい複数の関係者によれば、その投資の全容を銀行は把握できていなかった。バイアコムCBS株で100億ドル(約1兆1000億円)相当、他の幾つかの銘柄でも見えにくい形で巨大なポジションを蓄積していた。

バイアコムCBSへの投資が先週破綻を来し、アルケゴスに関係するポジションの解消を余儀なくされる局面で、金融機関があれほど脆弱だった背景には、監視およびリスク管理の不備が挙げられる。

(抜粋了) ++++++++++++++++++++++++++++++

この報道では、SLR条件緩和措置延長無しとの通知と米株株価急落との関連性は、指摘されていません。

SLR緩和措置が無くなれば、米国金融機関がこれまで保有してきた米国債を、リスク資産として計上する必要があります。または、既に計上しているリスク資産を圧縮して、自己資本比率を高める必要があります。問題は、3月19日から3月31日までの、わずか9営業日という短期間でリスク資産圧縮を迫られたという事です。

筆者は、アルケゴス破綻のトリガーとなったのは、SLR緩和措置が3月31日で打ち切るとの決定によるものと考えます。

急落した米株6銘柄の値動き

GSX: Techedu Inc.

DISCA: Discovery Inc.

VIAC: ViacomCBS Inc.

BIDU: Baidu Inc.

VIPS: Vipshop Holdings Limited

TME: Tencent Music Entertainment Group

米国金融株の値動き

The Goldman Sachs Group Inc

Morgan Staley

JP Morgan Chase & Co.

Wells Wargo & Company

US Banco等の他の米金融機関の値動きも確認しましたが、有意な差を見つけることは出来ませんでした。

欧州系 金融株の値動き(ドル建て)

Credit Suisse Group AG

UBS Group AG

Deutsche Bank AG

HSBC、BNP、SCB等、他の欧州系金融機関の値動きには、有意な差は認められませんでした。

NY市場における日本金融株の値動き(ドル建て)

野村證券

注)3月末配当落ち修正は、含まず

三菱UFJファイナンシャル

注)3月末配当落ち修正は、含まず

三井住友ファイナンシャル

注)3月末配当落ち修正は、含まず

みずほファイナンシャル

注)3月末配当落ち修正は、含まず

Heat Map シートで知る国内金融関連株への影響:アルケゴス・Before & After

2021年4月2日(金)現在

2021年4月5日(月)現在

新たな金融規制の方向と日米株価に与える影響について

準備中

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